■ベンフォードの法則のための発見的議論(その3)

今回のコラムでは,ワイルの均等分布定理を使って

  log10((k+1)/k)

を導出してみます.

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【3】ワイルの均等分布定理

 まず,log102が無理数であることを証明する.有理数,したがって

  log102=p/q

と書けると仮定すると

  qlog102=p→2^q=10^p=2^p・5^p

同じ数について2通りの素因数分解ができることになり矛盾.

 2^Nの最初の桁がのとき,

  d×10^n≦2^N<(d+1)×10^n

  0≦log10d≦log10(2^N/10^n)<log10(d+1)≦1

  n=[log102^N]

  log10d≦[log102^N]<log10(d+1)

 ここで,ワイルの均等分布定理

 「任意の無理数αについて,{nα}=nα−[nα]は均等分布する」

より,

  P(log10d≦[log102^N]<log10(d+1))=log10(d+1)−log10d=log10((d+1)/d)

が得られる.

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