■ベンフォードの法則のための発見的議論(その2)

【2】ベンフォードの法則=尺度不変性

 1961年,数学者ビンカムは「尺度不変性があれば,ベンフォードの法則が成立する」ことを証明しました.尺度不変性(scale invariance)=パワー則ですが,驚いたことにベンフォードの法則はパワー則の表れ,すなわち,この世界には指数的に増加するものが多いということになります.

  [参]Havil著,新妻弘監訳「オイラーの定数ガンマ」共立出版

にしたがえば,N桁の数字までの累積分布をP(N)とすると

  p(k)=∫(k,k+1)P(N)dN

と表されるのですが,ベンフォードの法則はP(N)としてベキ指数1のジップ分布

  P(N)〜1/N

を仮定することにより

  p(k)=∫(k,k+1)P(N)dN=log10(1+1/k)

と再現できるというのです.

===================================

 それでは,最高位から2番目の数の出現頻度はどうなるか調べてみましょう.最高位の数がk1,次の位の数がk2となる確率は

  log10(1+1/k1k2)

ですから,

  Σlog10(1+1/kik2)

で与えられます.

 最高位から2桁目の数がk2である確率は

  0→0.1197,

  1→0.1139,

  2→0.1088,

  3→0.1043,

  ・・・・・・・・・,

  9→0.0850

となって,2桁目に最もよく出てくる数字は0ですが,個々の数字の出現確率にはあまり差がないことがわかかります.

===================================