■クロネッカー・ワイル・ビリヤード(その9)

 各面で一度ずつ跳ね返って出発点に戻ってくる周回軌道については,

[1]立方体の場合,シュタインハウスの解(1958年)

[2]正四面体の場合,コンウェイの解(1962年)が知られている.

[補]3次元ビリヤード

 それではビリヤード球が立方体の内部で各面で1回ずつ反射して,常に同じ軌道をぐるぐると周り続けることは可能だろうか? これは可能であって,スタインハウスが発見した例は各面を3×3に分割した升目の角をイス型に巡回するものである.また,コンウェイは正四面体において同様の巡回軌道を発見している.それは各面の中央に正四面体の辺の1/10の長さをもつ正三角形の頂点を通るものである.

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 正八面体,正12面体,正20面体についてはどうか?

 とくに,正20面体ではすべての20の面に衝突する軌道でなければならないので,膨大な可能性を照査しなくてはならないので,より困難な問題となるが・・・・

[3]正八面体,正12面体,正20面体についてはハドルソンが解を示した(1997年).

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