■類数1(その4)

[補]2次形式ax^2+bxy+cy^2の判別式

  D=b^2−4ac

の値が等しくなる同値でない2次形式の個数を「類数」と呼ぶ.

 類数の研究はラグランジュとガウスに始まる.とくに興味が持たれるのは類数の値が1となるDがどれくらいあるかであった.

 その研究は徐々に進展し,1950年代になってヘーグナー,1967年にはスターク,ベイカーによって,類数1をもつDは9つしかないことが示された.

 D=−3,−4,−7,−8,−11,−19,−43,−67,−163

 dに直すと

  d=1,2,3,7,11,19,43,67,163

 後半の4つのdに対して,Q(√−d)の整数環はユークリッド整域ではない.(整除すなわち余りを出す除法のアルゴリズムが定義できる整域をユークリッド整域という.)

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