■整数の表現(その26)
【1】2元2次形式による表現と15の定理
1996年,コンウェイとシュニーバーガーは正定値2元2次形式
f(x,y)=ax^2+bxy+cy^2=n
が1から15までのすべての整数を表せば,それがすべての整数を表すことを示した(15の定理).
もっと限定していえば
1,2,3,5,6,7,10,14,15
の9つの数を表現するならば,すべての整数を表現するという定理である.
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この定理はルジャンドルの4平方和定理「何種類かの4変数2次形式,たとえば,
x^2+y^2+z^2+mw^2 (m=1,2,3,4,5,6,7)
はすべての正の整数を表現することができる」も内包していて,
1=1^2,2=1^2+1^2,3=1^2+1^2+1^2,5=2^2+1^2
6=2^2+1^2+1^2,7=2^2+1^2+1^2+1^2,10=3^2+1^2
14=3^2+2^2+1^2,15=3^2+2^2+1^2+1^2
5変数2次形式,たとえば,
a^2+2b^2+5c^2+5d^2+15e^2
はどの整数も表すことができる.
それに対して,普遍的な3変数2次形式は存在しない.たとえば,
f(x,y,z)=x^2+2y^2+yz+4z^2
は1から30までの整数をすべて表すが,31を表すことはできない.他の3元2次形式はこんなにうまい具合にはなっておらず,31以下の整数の中のどれかを表すことができないのである.
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