■数学よもやま話(その5)

スタインハウスの問題

 平面上の点で座標が両方とも整数の点を格子点といいます.

(Q)与えられた整数nに対して,平面上の円でちょうどn個の格子点を囲むものが存在するか?

という問いかけはスタインハウスが1957年に提起した問題です.シェルピンスキーはスタインハウスの問題に肯定的に答えています.

(A)点(√2,1/3)は平面上のすべての格子点から異なる距離にある.

(証)(a1,a2),(b1,b2)は点(√2,1/3)から等距離にある異なる格子点と仮定すると

(a1−√2)^2+(a2−1/3)^2=(b1−√2)^2+(b2−1/3)^2

a1^2+a2^2−b1^2−b2^2−2/3a2+2/3b2=2(a1−b1)√2

 √2が無理数であることより

  a1−b1=0かつa2^2−b2^2−2/3(a2−b2)=0

したがって,

  a2+b2−2/3=0

でなければならない.しかし,a2,b2は整数であるから明らかに矛盾する.よって,点(√2,1/3)から格子点までの距離はすべて異なることがわかる.

 2つの無理数,たとえば点P(√2,√3)に対しても同様に証明することができる.3頂点とも格子点であるような正三角形,3頂点とも格子点であるような正五角形は存在しない.

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(Q)与えられた整数nに対して,平面上の円でちょうどn個の格子点を通る円が存在するか?

(A)yes.

 n=2(k+1)のとき,点(1/2,0)を中心とする円

  (2x−1)^2+(2y)^2=5^k

 n=2k+1のとき,点(1/4,0)を中心とする円

  (4x−1)^2+(4y)^2=5^2k

がちょうどn個の格子点を通る円となる.

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