■オイラーの素数生成公式とラビノヴィッチの定理(その21)
【1】オイラーの幸運数
x^2+x+41のxに0,1,2,・・・,39を入れてできる数はすべて素数である(オイラー,1772年).
同様に,x^2+x+17のxに0,1,2,・・・,15を入れてできる数はすべて素数である.
たとえば,15=3・5(合成数)に対して,x^2+x+15はx=3,x=5のとき,合成数となるので,以下,pを素数として,
x^2+x+p
を考える.
実は,x^2+x+pのxに0,1,2,・・・,p−2を入れてできる数がすべて素数であるのは,p=2,3,5,11,17,41の6つ以外にない
ことをスタークが証明した(1967年).この6つをオイラーの幸運数という.
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オイラーの幸運数は、整数環が一意分解整域である虚2次体と関係している。
その虚2次体とはQ(-1),Q(-2)q(-3),Q((1-4A)^1/2)
A={2,3,5,11,17,41}
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虚2次体Q(√-d)の類数が1であるdはd=1,2,3,7,11,19,43,67,163の9個ある。
この体の整数はみな素数の積として順序は無視して一意に表される(一意分解整域)。
後半の4つのdに対してQ(√-d)の整数環は一意分解整域であってもユークリッド整域ではないことを注意しておきたい。
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整除のアルゴリズム(ノルムの絶対値に関して)が定義できる整域=ユークリッド整域
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