■地図と三角法(その21)

メルカトール図法の歪曲は極の近くで大きくなり、極自体を表示することはできなくなる。

北緯72度の緯線上のグリーンランドの面積は

実際の面積よりも1/(cos72)^2=10.47倍も大きくなります。

その結果、南アメリカ大陸と同じくらいの面積を持つように見えるのです。

cos72=1/(2τ)

1/(cos72)^2=4τ^2=4:2.618=10.472

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 高校の地理の問題である.地図投影法に

[1]サンソン図法・・・経線は正弦曲線,高緯度部分でひずみが大きい

[2]モルワイデ図法・・・経線は楕円,高緯度部分でひずみが大きい

[3]グード図法・・・サンソン図法の低緯度部分,モルワイデ図法の高緯度部分の長所を活かし,緯度40°44′で接合したもの

とあるが,緯度40°44′で緯線の長さが等しいようにはどうしてもみえない.

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【1】グード図法

 正弦曲線をスケーリングする.

[0]x=[0,π/2]

[1]y=acosx

[2]y^2=1−(2x/π)^2

[3](acosx)^2=1−(2x/π)^2

において,a=1.17697とすれば,x=40°44′=40.7333に解をもつが,a=1.17697の値に特別な意味を見出すことはできないのである.一体どうなっているのだろうか?

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【2】ダイマクション・マップ

地図のゆがみを避けることはできないが、ゆがみが目立たなくなるように分散させることは可能である。

バックミンスター・フラーは海洋部分にゆがみが来るように陸塊を正20面体上に配置した。その面積のゆがみは非常に小さい。

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