■素数の逆数和(その27)

【3】Σ1/n^2

  Sn=Σ1/n^2=1/1^2+1/2^2+1/3^2+・・・+1/n^2

が整数にならないことを示すのは,調和数の有理数性の問題よりも簡単です.そもそも1<Σ1/n^2<2なのですから整数でないことは自明なのですが,同様にやってみましょう.

 

(証)2^k≦n^2となる最大の指数をk,Pをn以下のすべての奇数の積とすると,

  2^(k-1)P^2Sn

 =2^(k-1)P^2(1/1^2+1/2^2+1/3^2+・・・+1/n^2)

は,2^(k-1)P^2/2^k以外の項はすべて整数となる.

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 ζ(2)=Σ1/n^2 =1/1^2+1/2^2+1/3^2+1/4^2+・・・

が収束することは1/n^2<1/(n−1)nを用いて,次のようにして示すことができます.

 (証)n次部分和をPn とすると,

  Pn =1/1^2+1/2^2+1/3^2+・・・+1/n^2

<1+1/1・2+1/2・3+・・・+1/(n−1)・n

=1+(1/1−1/2)+(1/2−1/3)+・・・(1/(n−1)−1/n)

=2−1/n<2

より,単調増加数列{Pn }は有界でn→∞のとき収束することがわかります.

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