■素数の逆数和(その26)

【1】調和数の有理数性

 n番目の調和数を

  Hn=1/1+1/2+1/3+1/4+・・・+1/n

と定義すると,H1=1,H2=3/2,H3=11/6,・・・,H∞=∞となります.それでは,・・・

(Q)n>1ならば,Hn は整数にはならないことを示せ.

 たとえば,分母が2のべき乗になっている項のうちで,その指数が最大のものを考えると,それと組になる項がどこにもありません.このことから,Hnは分子が奇数で,分母が偶数の分数になるのですが,このことをきちんとした形で書いてみましょう.

(証)2^k≦nとなる最大の指数をk,Pをn以下のすべての奇数の積とすると,

  2^(k-1)PHn

 =2^(k-1)P(1/1+1/2+1/3+1/4+・・・+1/n)

は,2^(k-1)P/2^k以外の項はすべて整数となる.

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(Q)Sn=1/1+1/3+1/5+1/7+・・・+1/(2n+1)

と定義すると,S1=1,S2=4/3,S3=23/15,・・・,S∞=∞となります.それでは,n>1ならば,Sn は整数にはならないことを示せ.

(証)3^k≦2n+1となる最大の指数をk,Pを6と互いに素かつ2n+1以下のすべての整数の積とすると,

  3^(k-1)PSn

 =3^(k-1)P(1/1+1/3+1/5+1/7+・・・+1/(2n+1))

は,3^(k-1)P/3^k以外の項はすべて整数となる.

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