■オイラー・カタラン・フェルマー(その7)

 26から1をひくと25(平方数)であり,26に1を加えると27(立方数)である.このように平方数と立方数に挟まれる数は他にはないというのが,

  y^3=x^2+2

の正整数による唯一の解は(x,y)=(5,3)であるというフェルマーの主張であった.(その5)ではこの主張が示された.

 一方,n^3−4型平方数は4と121の2つであることをフェルマーが示したのであるが,(その6)では「4」が現れなかった.再考してみたい.

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 y^3=x^2+2=(x+i√2)(x−i√2)において,もし右辺が通常の整数と同様に振る舞うと考えて,公約素数をもたないと仮定してみる.すなわち,gcd{(x+i√2),(x−i√2)}=1

 そうすれば,それらの積がy^3であるから,(x+i√2)は立方数である.

(x+i√2)=(a+bi√2)^3

 gcd{(x+i√2),(x−i√2)}=1

となることを検証してみたい.

 |a+bi√2|^2=a^2+2b^2=1ならばa=±1,b=0に限られるから,a+bi√2i=±1

よって,y^3=x^2+2のときに(x+i√2),(x−i√2)の公約数のノルムが1になることを示せば十分である.

 y^3=0,1,3 (mod4)

 x^2=0,1 (mod4)

 x^2+2=2,3 (mod4)

したがって,y^3=x^2+2が成り立つためには

 x^2=1 (mod4)

すなわち,xは奇数に限られる.→(x+i√2),(x−i√2)のノルムx^2+2は奇数である.

(x+i√2),(x−i√2)の約数はそれらの和i2√2の約数でもあり,i2√2のノルムは8である.一方,(x+i√2),(x−i√2)のノルムx^2+2は奇数であるから,8とx^2+2の最大公約数は1.

したがって,(x+i√2),(x−i√2)の公約数のノルムは1を割るから,公約数自身1である.

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