■非周期的タイル集合(その15)

杉本晃久さんより興味深い連絡が届いた…

ついにaperiodic monotile(1種類の多角形で,非周期にしかタイル張りができない多角形タイル)が見つかったようです.それもペンローズタイルのような特別なマッチングルールをもない凹多角形です.

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杉本晃久さんより・・・

Aperiodic monotile "hat"に関して,添付したファイルのようなことに気付きました.

つまり,周期構造をもつ無限に太いベルトが形成できます.

これに気付いたのは,山崎さんにFigure 2.11の説明をするために作図したことも影響しています.

なお,3月26日に送った図は,添付ファイルのリンク先にある

「aperiodic_monotile_hat_Fig2.11_substitution.png」に該当しますが,26日に送った図はC7(3)に該当するものにC7(2)が1個足りない形でした.

添付したファイルの最後に書いているように

nを無限大とするBeltD4(n),すなわちBeltD4(infinity)はタイリングとみなされる

と考えています.

となると,これは非周期タイリング(nonperiodic tiling)だけど,内部に周期的な構造を含む物なのか?と考えるかもしれませんが,

ベルトが太くなると繰り返されるまでの距離も比例して長くなり,これを無限大まで続けると確かに平面がタイリングになるが,ベルトに沿った繰り返し距離も無限大になり,繰り返し距離がないのと同じことになる

と考えます.

理解しがたい面もあるとは思いますが,著者の一人のKaplanさんとメールのやりとりをしていて,共に上記のように考えるのだと認識しています.

この無限の扱いがちょっとわかりにくくても,ファイルの最後に書いているように

BeltD4(infinity)がタイリングであるならば,それは周期的なものではない.理由は,BeltD4(infinity)には,少なくとも長手方向の周期構造がないことは明らかである (タイリングが周期的であるのは,2つの線形独立なベクトルによる並進と一致する場合であることに注意する).

なので,やはり非周期的タイリング(nonp-periodic tilig)であるということです.

今回私が示したベルトとは違いますが,一方向に周期的な構造を作れることを著者達も確認していたようで,それを「slab」と呼んでるようです.これも無限を考えることでけっきょく上記と同じ結論になると思います. (杉本)

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