■iのn乗(その39)

 倍にした数が9で始まるためには,その前の数字が45−49で始まっていなければなりません.それに対して,5−9で始まる数はどれも倍にすると1で始まる数になります.

 3倍にした数が9で始まるためには,その前の数字が30−33で始まっていなければなりません.それに対して,4−6で始まる数はどれも3倍にすると1で始まる数になります.

 2と3を交互にかけて得られる数列

  1,2,6,12,36,72,216,432,1296,2592,7776,15552,・・・

も同じ理由でベンフォードの法則に従います.

 この数列は,ほぼ

  an+1=√6an

という生成則に従う数列とみることができます.

 √6倍にした数が9で始まるためには,その前の数字が36−40で始まっていなければなりません.それに対して,4−8で始まる数はどれも√6倍にすると1で始まる数になります.

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 また,前2項の和になっているフィボナッチ数列

  1,1,2,3,5,8,13,21,34,55,89,144,・・・

もベンフォードの法則に従います.たとえば,1000項までの最高位の数もこの法則に従っていることがわかります.

数     1   2   3  4  5  6  7  8  9

頻度  301 177 177 96 80 67 56 53 45

 この数列は,ほぼ

  an+1=φan

という生成則に従う数列とみることができます.φ=(1+√5)/2

 φ倍にした数が9で始まるためには,その前の数字が55−61で始まっていなければなりません.それに対して,1−6で始まる数はどれもφ倍にすると1で始まる数になります.

 フィボナッチ(Fibonacci)数列は,項比が黄金比φに近づくという性質がなかに隠されている慨指数関数的増加数列なのですが,黄金比がギリシア文字のφで表されることから,phi-bonacci数列と呼ぶ人さえいます.

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