■正7角形の辺と対角線(その8)

 n=11の場合もy=x+1/xとおくと,5次方程式

  y^5+y^4−4y^3−3y^2+3y+1=0

に帰着する.ここではn=11のとき(平方根でなく)ベキ根の組み合わせ根を用いて表現できることを確かめたい.特殊な方程式であることを積極的に活用するのである.

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  τν=1/5・Σα^(j-1)νρj

  ρk=1/5・Σα^(1-k)ντν

とおき,集合{τ1^5,τ2^5,τ3^5,τ4^5}を考える.

  ρj=2cos(2^j-1・2π/11)=e(2^j-1/11)+e(−2^j-1/11)

とし,次の関係式に注意する.

  ρj^2=ρj+1+2,jmod5

  ρ1ρ2=ρ1+ρ4,ρ1ρ3=ρ4+ρ5,ρ1ρ4=ρ2+ρ3

  ρ1ρ5=ρ3+ρ5,ρ2ρ3=ρ3+ρ5,ρ2ρ4=ρ1+ρ5

  ρ2ρ5=ρ3+ρ4,ρ3ρ4=ρ1+ρ3,ρ3ρ5=ρ1+ρ2

  ρ4ρ5=ρ2+ρ4

これより,

  τν^5=ΣMνk(α)ρk

 また,巡回置換σ:ρj→ρj+1,jmod5ρとこれらの関係式は交換可能.したがって,

 (ρ1ρ2)^σ=ρ1^σ+ρ4^σ=ρ2+ρ3=ρ2ρ3=ρ1^σρ2^σ

とくに,

 (τν^5)^σ=(τν^σ)^5=(α^-στν)^5=τν^5

これより

  τν^5=1/5・Σ(τν^5)^σ^e=1/5・ΣΣMνk(α)ρk+e

=−1/5・ΣMνk(α)

  ρk=1/5・Σα^(1-k)ντν

であるから,cos(2π/11)はQ[e(1/5)]の元の5乗根をもって表現される.

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