■ありやなしや(その30)
ブラーマグプタの恒等式とは
(x1^2−Ny1^2)(x2^2−Ny2^2)=(x1x2+Ny1y2)^2−N(x1y2+x2y1)^2
ですが,N=−1とおくとフィボナッチの等式が得られます.
ブラーマグプタの恒等式はフィボナッチの等式になっているのですが,ここではフィボナッチの等式のもうひとつの拡張について考えてみます.
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1105=5・13・17
は4n+1型素数のはじめの3素数の積である.特別な素数である2を除外して,素数は4で割ると余りが1になるもの(5,13,17,29,37,41,・・・)と3になるもの(3,7,11,19,23,31,・・・)の2種類に分けられます.このうち,4n+1の形の素数は2つの整数の平方の和として表されます.たとえば,
5=1^2+2^2,
13=2^2+3^2,
17=1^2+4^2,
29=2^2+5^2
しかし,4n+3の形の素数は1つもこのようには表せないのです.
また,フィボナッチの等式としてよく知られている恒等式
(a^2+b^2)(c^2+d^2)
=(ac−bd)^2+(ad+bc)^2
=(ac+bd)^2+(ad−bc)^2
は簡単に確認できます.
この公式は2つの整数がともに平方数の和の形をしているなら,その2数の積も2通りの平方数で表されることを示していて,複素数と2平方和問題との関連を示しています.
221=10^2+11^2=5^2+14^2
50=1^2+7^2=5^2+5^2
65=8^2+1^2=4^2+7^2
このことから,1105は2つの平方数の和で4通りに表せることになるのです.
1105=(a^2+b^2)(c^2+d^2)(e^2+f^2)
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