■マーダヴァの無限級数(その22)
素数をわたる無限積
Πp^2/(p^2−1)=4/3・9/8・25/24・49/48・・・=π^2/6
が成り立つ.
なぜならば,オイラー積より
Πp^2/(p^2−1)=Π1/(1−1/p^2)=π^2/6=ζ(2)
ついでながら,すべての素数をわたる無限積
Π(p^2+1)/(p^2−1)=5/3・10/8・26/24・50/48・・・=5/2
が成り立つ.
一見ありえない数値のように思われるが,この証明はやさしい.
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(証)
Π(p^2+1)/(p^2−1)=Π(p^4−1)/(p^2−1)^2
=Π(1−1/p^4)/(1−1/p^2)^2
ここで,ゼータ関数のオイラー積は
ζ(s)=1/1^s+1/2^s+1/3^s+1/4^s+・・・
=(1+1/2^s+1/4^s+1/8^s+・・・)(1+1/3^s+1/9^s+・・・)(1+1/5^s+・・・)・・・
=1/(1−2^-s)・1/(1−3^-s)・1/(1−5^-s)・1/(1−7^-s)・・・
=Π(1−p^-s)^-1 (但し,pはすべての素数を動く.)
より,
ζ(2)=Π(1−1/p^2)^-1=π^2/6
ζ(4)=Π(1−1/p^4)^-1=π^4/90
と表される.
したがって,
Π(p^2+1)/(p^2−1)=Π(p^4−1)/(p^2−1)^2
=Π(1−1/p^4)/(1−1/p^2)^2
=ζ(2)^2/ζ(4)=90/36=5/2
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