■平方和恒等式(その15)
(その14)の数値実験をさらに進めてみる.3つの平方数の和として書くことができない数としては
7,15,23,28,・・・
がある.
やはり一見してパターンを見出すことは難しいが,1798年に,ルジャンドルは,3つの平方数の和でない数は4^k(8n+7)型で表されることを発見した.
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[1]n=4kのとき,
n^2=16k^2→ n=0 (mod8)
[2]n=4k+1のとき,
n^2=16k^2+8k+1→ n=1 (mod8)
[3]n=4k+2のとき,
n^2=16k^2+16k+4→ n=4 (mod8)
[4]n=4k+3のとき,
n^2=16k^2+24k+9→ n=1 (mod8)
したがって,平方数を8で割ると余りは0,1,4のいずれかになる.→3つの平方数の和を8で割ると余りは0,1,2,3,4,5,6のいずれかになる.→8n+7型の数を表すには平方数が4つ以上必要になる.
実は,正の整数はすべて4個の平方数の和で表される(ラグランジュの定理,1770年).
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[おまけ]
4^k(8n+7)型の整数は,すべての整数のうちの1/6を占める.
1/(1−1/4)・1/8=1/6
これらはちょうど4つの平方数の和となり,それ以外は高々3つの平方数の和で表される.
すべての立方数は9個の立方数の和で表される.負の整数を使っていいなら,立方数はすべて4個の立方数の和で表されると予想されている.
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