■シュレーフリの2重6角形(その1)
【1】代数曲面の分類
空間内の2次曲面の分類はよく知られていて,2次曲面f(x,y,z)=0は楕円面,一葉双曲面,二葉双曲面,楕円放物面,双曲放物面のどれかに分類されます.2次曲面には無数に多くの直線がのっているものがあり,その場合には直線を織りなして得られる曲面という意味で「線織面」と呼ばれます.直線が乗っている曲面といいかえてももよいでしょう.
円柱や円錐は線織面になっています.円柱や円錐は1通りの直線族でできていますが,線織面の中には2通りの直線族によって作られているものもあり,一葉双曲面(つづみ型)や双曲放物面がその例です.線織面のガウス曲率は常にゼロ以下ですが,ガウス曲率が常にゼロより小さく2通りの直線族によって作られているものは一葉双曲面と双曲放物面の2つに限られます.(3通りの直線族によって作られるものは平面だけです.)
2次曲面が直線の族を含んでいるという事実は建築でも実際に応用されますが,カーブを描いた曲面をコンクリートを使って建設できるということは明らかに利点です.
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一方,3次曲面f(x,y,z)=0には高々27本の直線しか含まないことが証明されています(サルモン,1884年).1次曲面(平面)は∞^2個,2次曲面は∞^1個の直線を含み,一般の3次曲面では(少なくとも1本の直線を含むが)その数は高々有限個(27本)です.それに対して,一般のn次曲面(n>3)は直線を全然含んでいません.
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