■ワイソフ座標と重心座標(その2)
三角形ABCの各辺を1:λの比に順次内分した点D,E,Fとし,AD,BE,CFの2本ずつの交点が作る三角計PQRを仮に「縮小三角形」と呼ぶことにする.
正三角形の縮小三角形は正三角形であるが,2010年のコラムに掲げた「縮小三角形の問題」とは,任意の三角形の縮小三角形がもとの三角形と相似になるのはどのような場合か?というものである.
一松信先生はこの問題を「重心座標」を使って計算されたそうであるから,小生も
[参]一松信「現代に活かす初等幾何入門」岩波書店,p10
を参考にしながら計算を試みたのであるが,重心座標系での相似形をどう表現するのかわからなかった.そのため,三角形の射影的な性質,すなわち,任意の三角形でも正三角形の場合と同じように扱える性質を使って計算した.
それでも同じように計算することができたが,この問題が最近出版された
[参]一松信・畔柳和生「重心座標による幾何学」現代数学社
に収載されているのを見つけた.再度,勉強してみたいと思う.
なお,縮小三角形の相似条件式は
a^2+λb^2−(λ+1)c^2=0
である.もちろんa=b=cはこれを満足するが,それ以外にも多数の解がある.等号を満たすためには
a≦c≦bまたはb≦c≦a
であることが必要条件になる.
(Q)a,b,cがすべて整数の例があるか?
(A)無数に存在する.a=b=cはこれを満足するから,それ以外にも無限に整数解(a,b,c)があることがわかる.
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