■ルービック・キューブと神の数(その7)

 ルービック・キューブは1980年から1981年にかけて世界中で大流行した.それでは3×3×3のルービック・キューブではいったいいくつの色の組み合わせが作れるだろうか?

 12!×2^12×8!×3^8通り.しかし,これはルービック・キューブを分解したときの話であって,面の回転だけで実現可能な色の組み合わせの総数は12!×2^12×8!×3^8/12通りになる.

 パズル史上最大のヒットとなったルービックキューブは26個の小さな立方体を3×3×3に並べたもので,6色が6面に割り振られている.ルービックキューブの配置は約43×10^18(4325京)通りある.

 これは70億の人間一人一人が1秒に1通りの配置を作ったとしても,すべての配置を作るのに200年かかる計算になる.

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ハノイの塔

3本杭のハノイの塔では必ず小さな円板が大きな円板に載るように別の杭に移します。

円板が3枚なら7手必要ですが、一般に円板がn枚なら2^n-1手4必要になります。

円盤が64枚の場合、2^64-1=1.8447x10^19(1884京7000兆)手、1手を1秒で済ますとすると6000億年かかる計算になります。

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 19世紀の数学者リュカの考案したゲームに「ハノイの塔」があります.ハノイの塔とは3本の柱A,B,Cがあり,柱Aにある何枚かの円盤を1枚ずつ柱Bを中継点にして柱Cに移動させるものです.ただし,どの柱でも上の円盤の方が小さくなければなりません.

(問)64枚の円盤があるとき,移し替えが完了するには何回移動しなければならないのか?

 円盤が3枚であるとします.Aにある3枚をBに移すにはCを中継点にしてBに移動させる.このためには上の2枚をCに移し,3枚目をBにもってきた後,Cの2枚をBに移動させる.次に円盤が4枚であるとします.上の三枚がくっついているとして,この3枚をBに移し,一番下の円盤をCにもってきて,Bの3枚をCに移せばよい.

 このような再帰的な方法を用いれば円盤が何枚あってもAからCに移動させることができるのですが,n枚の円盤を移動させるのに必要な最小回数をanと書くことにすれば,漸化式

  an=2an-1+1

で表せることがわかります.いま述べたn−1枚がくっついているとして・・・という考え方を当時小学5年生の息子に説明したところ,彼にも意味が理解できた様子でありました.

 anの具体的な値は

  an+1=2(an-1+1)

  an-1+1=2(an-2+1)

  ・・・・・・・・・・・・・

  a2+1=2(a1+1)

より,容易に

  an=2^n−1

で与えられることがわかりますが,こうして円盤が3枚のとき→4枚のとき→n枚のときに一般化することができます.

(答)64枚の円盤があるとき,2^64−1回の移動をしなければならない.1秒に1回移動をさせるにしても完了までには5820億年かかることになる.

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数独

数独とは9×9のマスがあり,

[1]各行

[2]各列

[3]3×3のマス

のなかに1〜9の数字が1回ずつはいるパズルである.人間がパズルとして解くものは解が一つだけのものに限られているから,パズルが適正であるなら,数字の入れ方は1通りしかない.

 魔方陣の変形版ともいえるが,これを発明したのは日本人(鍛冶真起さん)で,いまや世界中の人々が数独を楽しんでいる.(私はまったくやったことはないが,周りにはたくさんのはまっている人がいる.)

全部で6.6709x10^19(6670京9000兆)通りあるが、回転や鏡映といった重複を整理しても54億7273万538通りあるという

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