■カオスとフラクタル(その14)

【2】リー・ヨークの定理

 ところが,kの値の所々で単純な周期変動が現れ,たとえば,k=1+2√2のとき周期が3,すなわち3つの極限値の間を振動します.リーとヨークは周期長3が観測されることはすべての可能な周期が現れることを示しています.

Li, Yorke: Period Three Implies Chaos, American Mathematical Monthly 82, 985-992, 1975

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k=3.57付近で写像はカオス的になり,k=3.83の近くから始まる大きな周期窓には3周期が出現する.

[1]周期窓

  x1=f(x0)=kx0(1−x0)

  x2=f(x1)=kx1(1−x1)=k^2x0(1−x0)(1−kx0(1−x0))

  x3=f(x2)=k^3x0(1−x0)(1−kx0(1−x0))(1−k^2x0(1−x0)(1−kx0(1−x0)))

は8次多項式であり,

  3.8284<k<3.8415

の近くで3周期窓を生ずる.

 この値が1+2√2=3.8284であることは接線分岐を求めることによって解析的に示すことができる.

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