■長方形の分割(その7)

 ここでは,サイズが1×2のブロックを使ってp×qの領域を覆いつくす問題を考えます.もちろんp,qの少なくとも一方は偶数でなければなりませんが,このとき,p×qの領域を1×2のブロックを使って覆いつくせることは明らかです.

 この問題はサイズが1×mのブロックを使う場合に一般化することができます.p×qはmで割り切れるものとします.m=2のときよりも難しくなるのですが,6×6の領域を1×4のブロックでは覆いつくすことはできません.

 また,1×2のブロックを使って覆う場合,覆い方によっては1本の線でp×qの領域を縦断または横断する線分(分断線)ができてしまいますが,分断線ができないように埋めつくしていきます.p,q≧5とすると,(p,q)=(6,6)の場合を除き,分断線ができないように埋めつくすことができることが証明されています.

 これらの6×6の不可能性は,オイラーの士官36人の問題(6次のグレコ・ラテン方陣)に通ずるのかもしれません.「やってみてできなかった」という体験は組織的に完全に実行すれば立派な証明になるのですが,オイラーの士官36人の問題は実際にそういう証明しかない数学の問題となっています.

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