■長方形の分割(その6)
ここではもうひとつのデーンの定理の応用を紹介します.それはひとつの長方形がいくつかの小長方形に分割されているとき,小長方形の少なくとも1辺の長さが整数ならば,もとの大長方形の少なくとも1辺の長さは整数になるというものです.
すべての小長方形の2辺の長さが整数ならば,この問題は自明ですが,少なくとも1辺の長さが整数というのですから,まったく自明とはいえません.
背理法による証明を試みますが,大長方形の2つの垂直辺が水平整数辺をもつ小長方形の鎖によって連結されていないとすると,水平整数辺をもつ小長方形の鎖によって大長方形の2つの水平辺に橋が架けられているか,垂直整数辺をもつ小長方形の鎖によって大長方形の2つの水平辺に橋が架けられているかどちらかということになり,大長方形の少なくとも1辺の長さは整数になるのです.
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