■素数からなる等差数列(その12)

【2】素数等差数列

整数の集合を10列に並べてみたところ,双子素数は(3,5),(5,7),(11,13),(17,19),(29,31),(41,43),(59,61),(71,73)の8組あることが確認できたが,列方向に注目すると,4列目,6列目,8列目と10列目には素数がないことがわかる.2列目と5列目では最初の項を除けば素数がないことがわかるだろう.2と5以外の素数はすべて1列目,3列目,7列目と9列目にまとまっているのであるが,とくに5列目には

  3,13,23

という素数の等差数列が見られる.

次に,整数の集合を2×3=6列に並べてみる.

01 02 03 04 05 06

07 08 09 10 11 12

13 14 15 16 17 18

19 20 21 22 23 24

25 26 27 28 29 30

31 32 33 34 35 36

37 38 39 40 41 42

43 44 45 46 47 48

49 50 51 52 53 54

55 56 57 58 59 60

61 62 63 64 65 66

67 68 69 70 71 72

73 74 75 76 77 78

79 80 81 82 83 84

85 86 87 88 89 90

91 92 93 94 95 96

97 98 99 100

非素数を除去すると

 02 03    05   

07          11   

13          17   

19          23   

 29   

31               

37          41   

43          47   

 53   

       59   

61               

67          71   

73               

79          83   

       89   

    93         

97               

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4列目と6列目には素数がないことがわかる.2列目と3列目では最初の項を除けば素数がないことがわかるだろう.2と3以外の素数はすべて1列目と5列目にまとまっているのであるが,とくに5列目には

  5,11,17,23,29

という素数の等差数列が見られる.

 2×3=6列に引き続き,整数の集合を

 2×3×5=30列

 2×3×5×7=210列

に並べてみても,同様の現象が観察される.たとえば,30列に並べた場合,2と3と5以外の素数はすべて1行目,7行目,11行目,13行目,17行目,19行目,23行目,29行目にまとまっている.

  359,389,419,449,479,509

210列に並べた場合,

  199,409,619,829,1039,1249,1459,1669,1879,2089

このようにして,素数等差数列を得ることができる.セメレディの定理(1975年)によると,ある集合の密度が0でなければどのような長さの等差数列もその集合の中に含まれるのである.

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199+210nは0<=n<=9に対し、素数になる。

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