■擬似完全数と準完全数(その5)

 11台の車のうち半分を長女に,1/4を次女に,1/6を三女に遺産相続させる.しかし,どのように分配すればよいかという問題がおきた.

 そこで,ある賢者が1台の車を貸し出しすることにした.12台の車のうち,長女が6台,次女が3台,三女が2台受け取り,車が1台残った・・・.

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 この問題でキーとなるのは

  1/2+1/4+1/6=11/12

である.このような合計が1とならない分数は他にもあり

  1/2+1/4+1/7=41/42

など.

 一般に

  1/a+1/b+1/c=(d−1)/d

  1/a+1/b+1/c+1/d=1

と書き直して(a,b,c,d)を見つけたい.

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 1−1/a−1/b=1/n

 1/c+1/d=1/n

に気づけば

 nc+nd=cd

 cd−cn−dn+n^2=n^2

 (c−n)(d−n)=n^2

となって,n^2の約数に対応することがわかる.

 解は

(a,b,c,d)=(2,3,7,42),(2,3,8,24)

(2,3,9,18),(2,3,12,12),(2,4,5,20)

(2,4,6,12),(2,4,8,8),(2,5,5,10)

(2,6,6,6),(3,3,4,12),(3,3,6,6)

(4,4,4,4)の12通り.

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車の数nをn=7,11,17,19,23,41として6つの問題を作ることができる

dについて整理すると

(2,3,7,42)→n=41

(2,3,8,24)→n=23

(2,4,5,20)→n=19

(2,3,9,18)→n=17

(2,3,12,12)(2,4,6,12)(3,3,4,12)→n=11,a=3,b=3,c=4も解になる

(2,5,5,10)→n=9,a=2,b=2,c=5も解になる

(2,4,8,8)→n=7

(2,6,6,6)(3,3,6,6)→n=5,a=2,b=2,c=6、n=5,a=3,b=3,c=6も解になる

(4,4,4,4)→n=3,a=4,b=4,c=4も解になる

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この問題ではa,b,cは相異なるとしているようだ。 すると、複数の解をもつのはn=11でだけである。

n+1=12の約数{1,2,3,4,6,12}の2つの部分集合

{2,3,6},{1,4,6}

ではどちらもその和が12になるのである。2+3+6=1+4+6

この相続問題は、その約数の部分集合の和と等しい数として定義される準完全数と関連している。

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(a,b,c,d)=(2,3,7,42),(2,3,8,24)

(2,3,9,18),(2,3,12,12),(2,4,5,20)

(2,4,6,12),(2,4,8,8),(2,5,5,10)

(2,6,6,6),(3,3,4,12),(3,3,6,6)

(4,4,4,4)の12通りのうち,7通りはa<b<c.

 これに含まれない2通り(2,3,10,15),(3,4,4,6)はdが(a,b,c)の約数ではない擬似解である.

  1/2+1/3+1/10=28/30=14/15

もし遺された車が14台だとしたら賢者のやり方ではうまくいかない.15は10で割り切れないからである.しかし,もし遺された車が28台で,賢者が2台の車を貸し出しすることにしたたうまくいく.

  1/3+1/4+1/6=9/12

 娘が4人

  1/a+1/b+1/c+1/d+1/e=1

  a≦b≦c≦d,(a,b,c,d)はすべてeの約数

の場合,97通りの解と50通りの擬似解があるという.

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