■約数の和(その23)

 ある数NのN自身を除いたすべての約数の和がそれ自身と一致する数を完全数と呼びます.

  6=1+2+3

  28=1+2+4+7+14

  1/6+2/6+3/6=1

  1/28+2/28+4/28+7/28+14/28=1

すなわち,完全数では約数の調和平均は整数になります.

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【1】完全数の公式

  6=2(2^2−1)

  28=2^2(2^3−1)

ですが,すべての偶数の完全数は

  2^p-1(2^p−1)

で表されます(ユークリッド).

 ただし,pおよび2^p−1が素数(メルセンス素数)でなければなりません.したがって,その次の完全数はp=5のとき,496になります.

  p=7のとき,8128

  p=11のとき,2^p−1は素数でない

  p=13のとき,33550336

  p=17のとき,8589869056

偶数の完全数はメルセンヌ素数と同じ数だけあるというわけです.

 なお,すべての偶数の完全数は

  2^p(2^p−1)/2

と書き直すことができますから,三角数であることがわかります.

[おまけ]

  28=1^3+3^3

  496==1^3+3^3+5^3+7^3

  6を除く偶数の完全数を9で割ると1余る.

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 2^n×2^n−1=4^n−1=(4−1)(4^n-1+4^n-2+・・・+1)であるから,2^n×2^n−1は3で割り切れる.

  2^n×2^n=1  (mod3)

  2^n=+1,2^n-1=−1  (mod3)

  2^n=−1,2^n-1=+1  (mod3)

 2^n−1は素数であるから,

  2^n−1=−2=1,2^n-1=+1  (mod3)

 したがって,6を除く偶数の完全数を9で割ると1あまる.

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 6を除く偶数の完全数は1^3+3^3+5^3+7^3+9^3+・・・の部分和となる.

  28=1^3+3^3

  496=1^3+3^3+5^3+7^3

  1^3+3^3+5^3+7^3+9^3+・・・

=1^3+3^3+5^3+・・・+(2n+1)^3−2^3{1^3+2^3+3^3+・・・+n^3}

={{2n+1)(2n+2)/2}^2−2^3{n(n+1)/2}^2

={(n+1)(2n+1)}^2−2{n(n+1)}^2

=(n+1)^2(2n^2+4n+1)

 n=1のとき,28

 n=3のとき,496

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  (n+1)^2(2n^2+4n+1)

=(n^2+2n+1)(2n^2+4n+1)

(n^2+2n+1)=2^k-1

(2n^2+4n+1)=2^k−1

 この観点からいえば,完全数の問題は

[1](2n^2+4n+1)=2(n+1)^2−1

[2]2(n+1)^2−1=2^k−1→n+1=2^(k-1)/2

型の素数を見つける問題となる.

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