■約数の個数を更新する合成数(その9)
ζ(s)の零点がs=1/2に乗っているという仮定の下に
π(x)=li(x)+O(x^1/2lnx)
がコッホ同値条件(1901年)である.
もう少し精緻化すると,2657以上のすべてのxについて,
|π(x)−Li(x)|≦C・x^1/2logx
C=1/8π
が成り立つことと論理的に同等です.
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約数の個数関数d(k)の平均値の漸近挙動について,ディリクレは
1/nΣd(k)〜ln(n)-2γ+1
を示しました.
1/25Σd(k)=3.48 → ディリクレの評価はln(25)-2γ+1=3.37
1/50Σd(k)=4.14 → ディリクレの評価はln(50)-2γ+1=4.07
1/100Σd(k)=4.82 → ディリクレの評価はln(100)-2γ+1=4.76
d(n)でnの約数の個数を表せば,
D(n)=Σd(n)+xlnx+(2γ−1)+Δ(x)
ディリクレ自身の誤差評価はΔ(x)=O(x^1/2)であったが,ボロノイの結果は
Δ(x)=O(x^1/3lnx)
で,ディリクレの評価を本質的の凌駕するものであった.
現在知られている最良の評価はハクスリーによるもので,
Δ(x)=O(x^23/73ln^461/146x)
で,ボロノイの結果から
1/3−23/73==4/219=0.01826・・・
すなわち6%にも達していない.
なお,ハーディーによって,
Δ(x)=O(x^θ),θ≧1/4
であろうと予想されている.
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