■完全擬似素数(その6)
(その5)の補足をしておきたい.10^4に対して,q^2a(<10^4)という形式の成分は,
3^2,3^4,5^2,7^2
の4通りの事例だけである.5^4>10^2,11^2>10^2だからである.
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[1]Nはσ(3^2)=13で割り切れる.13^2>10^2は成分として大きすぎるので,特別な因数である.このとき,2Nはσ(13)=14=2・7で割り切れるので,7はNの因数となる.
2Nはσ(7^2)=57=3・19で割り切れるので,19はNの因数である.19は4m+1型の特別な因数ではないので,19^2に等しい因数がなければならないが,これは大きすぎる.
[2]Nはσ(3^4)=121=11^2で割り切れる.11^2>10^2は成分として大きすぎる.
[3]Nはσ(5^2)=31で割り切れる.31は4m+1型の特別な因数なではないので,31^2に等しい成分があるはずであるが,31^2>10^2は成分として大きすぎる.
[4]Nはσ(7^2)=57で割り切れる.→[1]で検討済み.
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10^6に対して,q^2a(<10^6)という形式の成分は,
3^2,3^4,3^6,5^2,5^4,7^2,11^2,13^2,17^2,19^2,23^2,29^2,31^2
の事例だけである.3^8>10^3,5^6>10^3,7^4>10^3,37^2>10^3だからである.
ブレントとコーエンはこの方法をうまく適用して,10^160より小さな奇数の完全数はないことを証明した.
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[4]ある素数の累乗(10^18よりおおきいもの)で割り切れる.
[5]最大の素因数は300000以上
[6]2番目の素因数は1000以上
[7]10^9118以下の奇数の完全数はある素数の6乗で割り切れる.
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