■ルービック・キューブと神の数(その5)
ルービック・キューブは1980年から1981年にかけて世界中で大流行した.それでは3×3×3のルービック・キューブではいったいいくつの色の組み合わせが作れるだろうか?
12!×2^12×8!×3^8通り.しかし,これはルービック・キューブを分解したときの話であって,面の回転だけで実現可能な色の組み合わせの総数は12!×2^12×8!×3^8/12通りになる.
[1]方向によって違う3色をもった立方体が8個ある。それらは全体の立方体の隅に8!通りに並べられる
その場合小さい立方体は置かれる方向によって3^8の違いを見せるので、合わせて8!・3^8の並べ方がある。
[2]両線の中央に2色をもった小立方体が12個あり、それらは12!通りの並べられる。
その場合小さい立方体は置かれる方向によって2^12の違いを見せるので、合わせて12!・2^12の並べ方がある。
[3]隅にある立方体を単独で回転させることはできないので3で割らなければならない。
稜線の中央にある立方体を単独で回転させることはできないので2で割らなければならない。
向かい合ったペア同士を入れ替えることはできないので2で割らなければならない。
12!×2^12×8!×3^8/12=4.3252×10^19(4325京2000兆)
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パズル史上最大のヒットとなったルービックキューブは26個の小さな立方体を3×3×3に並べたもので,6色が6面に割り振られている.ルービックキューブの配置は約43×10^18(4325京)通りあるが,いかなる配置もn手以下で解けるという最小手数はいくつかという数学問題があり,この問題の解は「神の数」と呼ばれるようになった.
2010年7月,トマス・ロキッキは「神の数」が20であることを証明した.ルービックキューブのいかなる配置も20手以下で解けるのである.ロキッキは195億通りの配置を調べ神の数が22以下であることを突き止めたが,彼は神の数が20であることを確信し,そして解いたのであった.
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