■ほぼ1の数の無限積(その32)

 引き続き,花本先生のコメントを紹介したい.

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 この種の計算はゼータにも通じていますので、面白いところです。

ζ(s)=Π(2,∞)1/(1-p^(-s)), z(s)= Π(2,∞)1/(1+p^(-s))としますと

ζ(1)=exp(γ)logn, -------> メルテンスの定理

z(1)= π^2/6*exp(-γ)/logn, (∵ζ(1)z(1)=ζ(2) )

z(2)= π^2/15, (∵ζ(2)z(2)=ζ(4) )

ところが

ζ(3)=???, z(3)=??? ----------------> でも ζ(3)z(3)=ζ(6)= π^6/945

z(3)がわかればζ(3)もわかります。

ζ(3)はζ(1)を因数にもっています。

ζ(3)= Π(2,∞)1/((1-1/p)(1-ω/p)(1-ω^2/p))

 そればかりかζ(2)もz(1),ζ(1)を因数にもっています。つまりζ(2)とζ(3)そればかりかすべてのζ(s)がζ(1)を因数にもっています。これは非常に面白いことです。

 メルテンスの定理(素数定理でもときどき出てきます)の明快な証明をさがしていますが、なかなか見つかりません。  (花本澄夫)

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