■ガウスの素数定理(その8)
【2】アルティンの原始根予想
1/7=0.142857142857・・・
(循環節:142758の長さ6)
1/17=0.0588235294117647・・・
(循環節:0588235294117647の長さ16)
のように,1/pを10進法で小数展開したときの循環節の長さがp−1となる特別な素数を10を原始根とする素数(あるいはfull-reptendな素数)といいます.
10を原始根とする素数,たとえば,
7,17,19,23,29,47,59,61,97,・・・
の数列を表す一般的規則はわかっていませんが,その密度について,アルティンは
π10(x)=Cx/logx
と予想しています.ただし,pを素数として,Cは
C=Π(1−1/p(p−1))=0.37395・・・(アルティンの定数)
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10を原始根とする100以下の素数は
7,17,19,23,29,47,59,61,97
の9個,100以下の素数は25個ですから,
9/25=0.36
で理論値0.374によくあっています.もし,これが正しいとすれば,このような素数は無限にあり,素数全体のうち約3/8を占めることになるのですが,残念ながら証明されていません.
しかしながら,リーマン予想:ζ(s)の零点がs=−2,−4,・・・,−2nとs=1/2+tiの線上にある:が正しいと仮定するとアルティン予想の成り立つことが証明できることがわかっています.
ここでは原始根a=10の場合を扱いましたが,aは−1でも平方数でもないものとします.aが素数pに対する原始根とは,a^1−1,a^2−1,・・・,a^p-2−1のどれもpで割り切れなくて,a^p-1−1がpで割り切れるものを指します.
πa(x)〜Cx/(logx)
すなわち,aを原始根にもつ素数は無限個存在するという予想は,一般化されたリーマン予想を仮定すれば成立することがわかっています.
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