■双子素数の漸近確率密度(その21)

 一般に,

  1/1−1/2+1/3−1/4+・・・=log2

の項の順序を,正の項をm個,負の項をn個ずつ交互に並べ替えてできる級数の和は

  log2+1/2・logm/n

となる.

[1]m=2,n=1→3/2log2

[2]m=1,n=2→1/2log2

 すなわち,この級数は項を足す順序を変えるだけで,カメレオンのようにどんな値にでも・・・297.126でも−42πでも0でもお好みの実数になれるのである.たとえば,0にしたいならば

  2log2+logm/n=0→m=1,n=4

 有限の和ではこのようなことは絶対に起こらないが,無限の和では加法の交換法則が成り立たないような,想像もつかない奇妙なことが起こるのである.

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 m=1,n=2の場合を調べてみる.

  (1−1/2−1/4)+(1/3−1/6−1/8)+(1/5−1/10−1/12)+・・・

次に括弧の中の第3項はいじらないで,第1項から第2項を引くと

  (1/2−1/4)+(1/6−1/8)+(1/10−1/12)+・・・

1/2でくくると

  1/2(1−1/2+1/3−1/4+1/5−1/6+・・・)

 つまり交代調和級数は項を並べ替えただけで元の半分の大きさになってしまうのである.

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