■双子素数の漸近確率密度(その16)

 Σanの絶対値級数Σ|an|が収束するとき,Σanは絶対収束するという.また,Σanは収束するが,Σ|an|は収束しない級数は,条件収束するという.

定理(1):絶対収束級数は項の順序をどのように変えても絶対収束し,和も変わらない.(ディリクレ)

定理(2):条件収束級数は項の順序を適当に変えれば,指定された値(±∞でもよい)を和にもつようにも,振動するようにもできる.(リーマン)

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【1】絶対収束・条件収束

 

 また,正の項に引き続いて負の項が2つの連続する級数:

  {1/1−1/2−1/4}+{1/3−1/6−1/8}+・・・

は1/2log2に収束することがわかっている.

(証明)

  {1/1−1/2−1/4}+{1/3−1/6−1/8}+・・・

  =1/2log2を示す.

 与えられた級数は

 Σ{1/(2n−1)−1/2(2n−1)−1/(2(2n−1)+2)}

=Σ{1/(4n−2)−1/4n}

 一方,1/1−1/2+1/3−1/4+・・・=log2より

1/2log2=1/2−1/4+1/6−1/8+・・・

       =(1/2−1/4)+(1/6−1/8)+・・・

       =Σ{1/(4n−2)−1/4n}

 これらは無限のパラドックスの一つの例である.有限級数ならば,足し算の順序に入れ替えは自由にできるが,無限級数となると話はまったく違ってくる.正の項と負の項がいずれも絶対収束するとき,級数の和の順番は勝手に変えてもよいのであるが,そうでない場合は,足す順序によっては級数の和が異なってくる.実は,条件収束級数の場合,級数の項の順番を適当に変えるとどんな値にでも収束させることができることが知られている.

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