■ガウスの円問題(その9)

【1】ガウスの円問題

 原点を中心とした半径rの円の内部(境界を含む)にある整数点の個数をR(r)で表す.

R(3)=29、           π3^2=28.26

R(4)=45、円周上の格子点は4個、 π4^2=50.24

R(6)=113、            π6^2=113.24

格子点のほうが多くなったり、少なくなったりして一致しません。この違いの謎解きはできていないのです。

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  R(10)=317       R(100)=31417

  R(20)=1257      R(200)=125627

  R(30)=2821      R(300)=282697

 R(r)は円の面積の推定値を与える.

  r   R(r)/r^2     r   R(r)/r^2

  10   3.17       100   3.1417

  20   3.1425     200   3.140725

  30   3.134      300   3.14107

 ガウスは

  |R(r)−πr^2|<cr

を示したが,

  |R(r)−πr^2|<cr^k

となるkの最小値を求める問題に一般化される.

 シェルピンスキーはk≦2/3を証明し,ガウスのk=1を大きく改善した.1963年に陳景潤はk≦24/37を,1990年にハクスリーはk≦46/73を得たが,シェルピンスキーの成果からほんのわずかしか進んでいない.

 k=1/2と予想されている.同じ問題を3次元球についても考えることができる.

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