■回転する円板(その2)

(Q)円周mの大円がある.この円に内接しながら円周1の小円が転がるとき,1周するまでに小円は何回転するか? また,外接しながら転がるときは何回転するか?

(A)論より証拠,同じ大きさのコインを2つ用意して,一方を固定し他方をそれに外接するようにして実際に転がしてみると,円周は等しいのに2回転することがわかる.大円が小円のm倍のときは内転,外転に応じてそれぞれm−1回転,m+1回転することになる.もちろん円周の内側と外側で長さが違うわけではない.パップス・ギュルダンの定理をもちだすまでもなく,この問題のポイントは,小円が自転しながら同時に1公転していることにある.なお,大円は任意の閉曲線としても構わない.

 常識的には,内側であろうが外側であろうがm回転すると考えるのがアタリマエであるから,このように説明されても何となくだまされているような気分になるのが「自転・公転問題」である.

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