■学会にて(形の科学会)

11/19-21,形の科学会に参加

ほとんどスルーされてしましました。オンライン学会だと、どうしても時間厳守の意識から質問を出しにくい雰囲気があるのかもしれませんね。

以下、数少ない質問に対する回答

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[A]無鋲釘構造というと日本のお家芸のように思われるかもしれない。たとえば、山口県岩国市の錦帯橋はその有名な例である。社寺建築では、火災で焼失する前の上野寛永寺五重塔には釘が使われていなかったと聞いたことがある(不確か)。今回、円弧状の梁を球面上・測地線上に配置して球状多面体を作成してみたが、これも釘を用いない梁構造で、Da Vinci domeと呼ばれるものの球体版である。

しかし、日本の社寺は木組み・継ぎ手によるもの、錦帯橋は分数積み木によるものである(山梨県大月市の猿橋は分数積み木の原理を直接観察できる例となっている)。一方、西洋の無鋲釘構造であるDa Vinci domeは相互支持構造であって、その構築原理はまったく異なっている(両者を混同してはならない)。

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[A] Da Vinci domeの組み立て中は非常に不安定で、組み立てること自体難しいのであるが、最後の梁を入れたとたん蹴っても壊れないほどの強度となる。また、測地線上への梁配置は数学的に行うことが可能である。テントや仮設住宅に応用できるかもしれない。もし、ご興味をお持ちいただけるならば幸甚である

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