■ディオファントス方程式の解の非存在(その32)

【5】証明(1)

   |α−a/b|<1/√5b^2

を満たす有理数a/bは無限に多く存在する.一方,λ>√5に対しても

   |α−a/b|<1/λb^2

を満たす有理数a/bが有限個しかない無理数αが存在する.

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 α=[a0:a1,a2,・・・]を無理数とする.無限個の近似分数pn/qnに対して

[1]λn=1/qn(qnα−pn)>√5となること

[2]√5より大きい数に置き換えると無限個に対しては成り立たないことを示す必要がある.

[1]無限個のanが3以上である場合

  λn-1>an≧3>√5

[2]2より大きいanは有限個だが,2になるanが無限個ある場合

  無限個のnに対してan+1=2,an≦2,an+2≦2であるから

  λn=an+1+1/(an+2+1/・・)+1/(an+1/・・)≧2+1/3+1/3=8/3>√5

[3]十分大きなmに対して,am=1である場合

  n>mにおいて,λn=[1:1,1,1・・・]+1/[1:1,1,1・・・,a1]

  n→∞のとき,λn=φ+1/φ=√5

[3]の場合だけが√5より大きい数に置き換えることができない.

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