■三角関数の和と積(その33)
【1】グレゴリー・ライプニッツ級数
(その32)では,cosxの無限積表示
cosx=(1−4x^2/π^2)(1−4x^2/9π^2)(1−4x^2/25π^2)・・・
を用いているが,tanxに対しては,部分分数の無限級数表示
tanx=8x[1/(π^2−4x^2)+1/(9π^2−4x^2)+1/(25π^2−4x^2)+・・・]
が成り立つ.
x=π/4とすると,
1=4/π(1−1/3+1/5−1/7+・・・)
であるから,グレゴリー・ライプニッツ級数
π/4=1−1/3+1/5−1/7+・・・
が導かれる.
グレゴリー・ライプニッツ級数はπを含んでいる無限級数として最初のものなのだが,オリジナルは
arctanx=x−x^3/3+x^5/5−x^7/7+・・・
から発見されたものである.
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【2】オイラー級数
また,x→0としたときのtanx/xの漸近挙動から,
π^2/8=1/1^2+1/3^2+1/5^2+・・・
さらに,
S=1/1^2+1/2^2+1/3^2+・・・
=1/1^2+1/3^2+1/5^2+・・・+1/2^2+1/4^2+1/6^2
=1/1^2+1/3^2+1/5^2+・・・+1/4[1/1^2+1/2^2+1/3^2+・・・]
=π^2/8+S/4
したがって,
S=1/1^2+1/2^2+1/3^2+・・・=π^2/6
となるが,これはオイラーにより発見された有名な級数である.
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