■三角関数の和と積(その31)

 正弦・余弦の和公式はフーリエ級数との関連で研究された歴史がある.一方,和公式ほどよく知られていないが,正弦・余弦の積公式としていろいろな公式が登場してくる.ここでは証明は省いたが,複素数を使って証明するのが一番の近道であろう.

  Πsinkπ/n=sinπ/n・・・sin(n−1)π/n

          =n/2^(n-1)

  Πsin(θ+kπ/n)

 =sin(θ+π/n)・・・sin(θ+(n−1)π/n)

 =sinnθ/2^(n-1)sinθ

 ここで,θ→θ−π/2nと置き換えれば

  Πsin(θ+(2k−1)π/n)=cosnθ/2^(n-1)

θ=0とおけば

  Πsin((2k−1)π/n)=1/2^(n-1)

また,θ=π/2とおけば

  Πcoskπ/n=sin(nπ/2)/2^(n-1)

などを導き出すことができる.

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