■学会にて(京大数理解析研,その107)
ハンガリーの植物学者リンデンマイヤーによって
A→AB
B→A
のような簡潔な成長システムが導入されました。初期状態Aから始めると
A
AB
ABA
ABAAB
ABAABABA
となりますが、これはフィボナッチのウサギの成長モデルとして考えることができます。
Aが成熟したウサギのつがい、Bが生まれたばかりのつがいというわけです。
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【1】フィボナッチ列
[nφ]=1,3,4,6,8,9,11,・・・に含まれる場合, {1}項を与える
[nφ^2]=2,5,7,10,13,15,18,・・・に含まれる場合,{0}項を与えるという生成則の従うと,
10110101・・・
という数列が生成される.見かけたところ何の規則性もないように思えるが,これはフィボナッチ列と呼ばれるもので,1次元非周期模様を与えてくれる.自己相似性はあっても周期性はない.また,出現頻度に関して{1}:{0}=τ:1に近づく.このことからも周期性がないことが理解される.もし周期性があるなら出現頻度は整数比になるからである.
この数列を生成する別の方法もある.この数列は置換則(1→10,0→1)からも生成される自己生成数列である.フィボナッチ数列は前2項の数の和として定義されるが,フィボナッチ列は前2項の文字列の和として定義される.
1
1+0→10
10+1→101
101+10→10110
10110+101→10110101
10110101+10110→1011010110110
[1]数列の長さはフィボナッチ数.
[2]0/1の数もフィボナッチ数.
[3](スー・モース数列のように簡単ではないが)自己相似性をもつ.
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