■学会にて(京大数理解析研,その82)
[1]τ=(1+√5)/2,γn={τ^n}とする.γnは[0,1]で一様分布しないのであるが,ここでは一番近い整数との距離ではなく,非整数部分
τ^n=[τ^n]+{τ^n}
を調べてみると
{τ^1}=.61803=1−.38179
{τ^2}=.61803=1−.38179
{τ^3}=.23607
{τ^4}=.85410=1−.14590
{τ^5}=.09017
・・・・・・・・・・・・・
となって,0または1に近づくことがわかる.
[2]最高次の係数が1,それ以外の係数が{−1,0,1}だけからなる黄金比の多項式で表せる数全体をの集合S(τ)を考えてみる.
すると,S(τ)は実軸上,
[1]隣り合う2点間の距離は一定値R以下(相対稠密)
[2]隣り合う2点間の距離は一定値r以上(一様離散)
という2つの重要な性質を満たしている.
τ=(1+√5)/2=α,(1−√5)/2=β
とおけば,これらはx^2−x−1=0の2根で,
α+β=1,αβ=−1
α^n+β^nは常に整数となる.このとき,
|β^n|→0,|α^n|→整数
[3]一様離散性(反発力)の証明
最高次の係数が1,それ以外の係数が{ai|−1,0,1},{bi|−1,0,1}だけからなる黄金比の多項式から,
A=Σ(an−bn)α^n
B=Σ(an−bn)β^n
を考える.
|an−bn|≦2より,
|B|≦2/(1−|β|)
また,ABはp=α+β,q=αβの整数係数多項式になるので,ABは整数になる.|AB|≧1
|A|≧1/|B|≧(1−|β|)/2=.19098>0
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