■正多角形の作図法則(その77)
正素数p角形はp=2^d+1,d=2^eという形の素数であるとき,コンパスと定規で作図することができる.ガウスはp=3,5,17,257,65537角形が作図可能であることを見抜いた.
古代ギリシア以来,作図といえばコンパスと定規で作図することが公式であったが,それ以外の道具,たとえば,コンパスと標識定規(あるいは折り紙)による作図の場合は
n=2^a3^b+1
に限り,作図可能であることが示されている.したがって,
[1]n=7,9,13,19 → 作図可能
7=2・3+1
9=2・2・2+1
13=2・2・3+1
19=2・3・3+1
[2]n=11 → 作図不可能
すなわち,コンパスと定規のみをを使うという制限下では,正三角形・正方形・正五角形・正六角形の作図には成功するものの,正七角形と正九角形では躓いてしまう.それに対して,折り紙では正十一角形は困難なものの,正七角形と正九角形の作図はあっさり成功するのである.
折り紙では2^a3^b+1という形の素数になるとき構成することができるので,構成できない最小の正n角形はn=11であり,以下22,23,25,29,・・・と続く.
n≦20の範囲では,正11角形を除いて正確に作図する(または折る)ことができる.
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