■相貫体(その5)

準正多面体の中では切頂八面体だけが空間を単独で埋めつくすことができました。それ以外の単独空間充填形となる多面体としては、平行六面体と菱形十二面体(rhombic dodecahedoron )があげられます。

 菱形十二面体は対角線の長さの比が1:√2の合同な菱形を12枚張り合わせたものです。菱形十二面体はざくろ石の結晶としても自然界に産出し、その投影図は正面、平面、側面がすべて正方形になっているという奇妙な投影図形を示します。

 菱形十二面体は、面が正多角形ではないので準正多面体ではありませんが、立方八面体の各面の中心をつないで余分なところを切り落とすと現れる多面体、すなわち、準正多面体の双対多面体でもありますから一種の準正多面体群として考えることができます。このように、プラトン立体の双対は正多面体ですが、アルキメデス立体の双対は準正多面体とは異なる一群の立体となります。

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菱形12面体

[1]正八面体のそれぞれの面に、正四面体の1/4部分を8個糊付けすると菱形12面体が得られる

[2]立方体のそれぞれの面に、立方体の1/6部分を6個糊付けすると菱形12面体が得られる

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