■隣り合う素数の間隔(その37)
階乗で表された有理数,たとえば,
Q=(6n+2)!n!/(3n+1)!{(2n)!}^2
が整数であることを証明するには,この式に対応するガウス記号[・]を用いた不等式
[(6n+2)/m]+[n/m]≧[(3n+1)/m]+2[2n/m] m≧2
が成立するかどうかを調べることになる.
また,n!を素因数分解したとき,ある素数pがp^rの形で含まれていたとすると,ガウス記号[・]を用いて
r=[n/p]+[n/p^2]+・・・+[n/p^s]+・・・
となる.
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[Q]100!/10^25は整数であるか?
[A]10は2と5の倍数である.1から100までの間に2の倍数はたくさんあるが,5の倍数はいくつあるだろうか?
[100/5]=20
25,50,75などは25で割り切れて,ここにもうひとつ,5の倍数が隠れていると考えると
e5(100!)=[100/5]+[100/5^2]=20+4=24
5の倍数の個数=10の倍数の個数と考えることができるから,10の倍数は24個.したがって,100!/10^24は整数であるか,100!/10^25は整数とはならない.
なお,
e2(100!)=[100/2]+[100/2^2]+[100/2^3]+[100/2^4]+[100/2^5]+[100/2^6]=97
一般に,
ep(n!)<n/p+n/p^2+n/p^3+・・・
=n/p(1+1/p+1/p^2+・・・)
=n/(p−1)
p=2,n=100の場合は,97<100となり,真の値97にかなり近い.
p=5,n=1000の場合は,249<250となり,真の値249にかなり近い.
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