■正方形の詰め込み(その1)
【1】方積問題
1909年,モロンによって33×32の長方形を9枚の正方形(1,4,7,8,910,14,15,18)で,65×47の長方形を10枚の正方形(3,5,611,17,19,22,23,24,25)で敷き詰めました.
また,1939年,スプレーグが55枚の正方形で正方形を敷き詰める例を見つだしました.しかし,この例では55枚の異なる正方形が使われたのですが,内部に正方形を敷き詰めた長方形部分が含まれているため「純粋配置」ではありませんでした.
ブルックスが112×75の長方形を13枚の正方形を使い,2通りに敷き詰める配置を発見したことがきっかけとなって,1940年,ブルックス,スミス,ストーン,テュッテは正方形に正方形を敷き詰める系統だった手法を確立させました.
その方法(スミス・ネットワーク)はデーンの定理を電気回路とみなしてキルヒホッフの法則とオームの法則に帰着させて鮮やかに証明したものでした.この方法を用いて,ブルックスは正方形に69枚の正方形を敷き詰める配置を発表し,さらに検討を加えて正方形の数を39枚に減らしました.
1948年にウィルコックスは24枚の正方形を使って正方形をを作る方法を見つけました.1962年,デゥイヴェスチジンは正方形に正方形を敷き詰めるのに少なくても21枚の正方形が必要なことを証明し,1978年までに
50,29,33,25,4,37,35,15,9,16,2,7,17,18,42,11,6,27,8,24,19
の21個の正方形からなる単純(分断線ができないこと)かつ完全(分割を構成する正方形がすべて異なる大きさであること)な正方形分割が最小かつ唯一(他には存在しない)のものであることを証明しました.完成サイズは112×112.こうして方積問題解決されたわけのです.
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