■L敷き詰め(その4)
(Q)2^n×2^nの格子盤から1個のマス目を切り取ったものは,すべてL字型トロミノ
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で覆いつくすことができるか?
(A)2×2から1マス切り取ったものはトロミノであるから,n=1のとき覆いつくすことができることは明らか.nのとき覆いつくすことができると仮定して,2^n+1×2^n+1の格子盤から1マス切り取ったものを考える.
この格子盤を4等分して,中央部から
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を取り去ると,1マス取り去られた2^n×2^nの格子盤が4つできる.仮定より,これら4つの格子盤はトロミノで覆いつくすことができるから4つ合わせれば任意の1マスを切り取った2^n+1×2^n+1の格子盤になる.
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こうして数学的帰納法による証明が完了したというわけであるが,ところで2^n×2^n−1が3で割り切れることが問題の前提条件として必要である.フェルマーの小定理より
2^n×2^n=4^n=1 (mod 3)
であるが,連続するk個の整数の積がk!で割り切れることを使えば(フェルマーの小定理のごとき牛刀をもちだすまでもなく)3で割り切れることを証明することができる.
(2^n−1)2^n(2^n+1)は6で割り切れる
→(2^n−1)(2^n+1)は3で割り切れる
→2^n×2^n−1は3で割り切れる
2^n×2^n−1=4^n−1=(4−1)(4^n-1+4^n-2+・・・+1)であるから,2^n×2^n−1は3で割り切れるとする方が簡単かももしれない.
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