■ラングレーの問題(その12)
正五角形の作図には半径の2等分点が,正17角形の作図には4等分点が使われているそうです→コラム「正多角形の近似作図問題」参照.ラングレーの問題『四角形ABCDにおいて,∠ABD=20°=a,∠DBC=60°=b,∠BCA=50°=c,∠ACD=30°=dのとき,∠ADB=eの大きさを求めよ.』
一方,ラングレーの問題は正18角形の対角線の交点と関係しています→コラム「ラングレーの問題」参照.正18角形を描いて対角線を引けば,この問題の図が現れるというわけです.
正18角形の対角線の交点数は1837(2重点1512個,3重点216個,4重点54個,5重点54個).n=18の場合は5重点が中心以外での多重度最大の交点で,6重点以上はnが30の倍数でないと出現しません.また,正18角形をすべての対角線で分断したときの断片数は2466にもなります.それでは,正17角形の対角線の交点数や断片数は正18角形より多いでしょうか?
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【1】正n角形の対角線の交点数は?
正n角形の対角線に多重交点がなければI=nC4となります.nが奇数の場合は多重交点がないのでこれが正解ですが,nが偶数のときは中心では必ずn/2本の対角線が交わります.
また,nが6以上の偶数の場合は必ず多重交点が存在します.多重度は最大でも7を超えないことが確認されていて,6重点以上はnが30の倍数でないと出現しません.
この後は代数的な議論に加え,煩雑な場合分けと例外処理が必要となります.ここで,関数
δm(n)=1 (nはmの倍数)
δm(n)=0 (それ以外)
を用います.すなわち,nがmの倍数ならば1,それ以外ならば0となる関数です.
正n角形の対角線の交点数の公式には,
m=2,4,6,12,18,24,30,42,60,84,90,120,210
が出現し,次のようなものになります.正210角形になって初めて現れる例外処置が存在するのです.
I=nC4+(−5n^3+24n^2−70n+24)/24・δ2(n)+3n/2・δ4(n)+(−45n^2+262n)/6・δ6(n)+42n・δ12(n)+60n・δ18(n)+35n・δ24(n)−38n・δ30(n)−82n・δ42(n)−330n・δ60(n)−144n・δ84(n)−96n・δ90(n)−144n・δ120(n)−96n・δ210(n)
たとえば,
I(6)=13
I(12)=301
I(18)=1837
I(180)=40841461
また,正n角形をすべての対角線で分断したときの断片数は,
R=(n−1)(n−2)(n^2−3n+12)/24+(−5n^3+42n^2−40n−48)/48・δ2(n)−3n/4・δ4(n)+(−53n^2+310n)/12・δ6(n)+49n/2・δ12(n)+32n・δ18(n)+19n・δ24(n)−36n・δ30(n)−50n・δ42(n)−190n・δ60(n)−78n・δ84(n)−48n・δ90(n)−78n・δ120(n)−48n・δ210(n)
R(6)=24
R(12)=444
R(18)=2466
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【2】計算結果
コラム「正多角形の対角線の交点数(その2)」に掲げたものから抜粋して,n=4〜24における交点数Iと断片数Rの計算結果を表示する.計算自体は簡単で,I<Rが成り立つこともわかるだろう.
最初にI>2010,R>2010となるのは正17角形である.I17,R17ともに10の倍数で,(そんな馬鹿なと思われるかもしれないが)交点数,断片数とも正17角形の方が多いのである(I17>I18,R17>R18).
n I R
4 1 4
5 5 11
6 13 24
7 35 50
8 49 80
9 126 154
10 161 220
11 330 375
12 301 444
13 715 781
14 757 952
15 1365 1456
16 1377 1696
17 2380 2500
18 1837 2466
19 3876 4029
20 3841 4500
21 5985 6175
22 5941 6820
23 8855 9086
24 7297 9024
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【1】レイトン・アイタイ・フバタル・ニューボーン・セメレディの定理
n個の頂点とm>5n本の辺をもつグラフをどのように描いても、交差する辺が
4m^3/243n^2>m^3/(8n)^2対よりも多く含まれる。
平面上のn個この点とm本の直線の接続はたかだか
2(2nm)^(2/3)+m対である。
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【2】セーケイの定理
平面上にn>8個の点があたえられたとき、単位距離になるのはたかだか4n^(4/3)個である。
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