■大円弧多面体(その76)

ダヴィンチ多面体は見慣れない形を豊富に提供してくれますので、球面タイリングのほかにも何かの役に立たないかと探してみました。すると、先生のコラム

https://ikuro-kotaro.sakura.ne.jp/koramu/5075_q4.htm

に球面点配置のミニマックス問題というものがあることを知りました。

球面上にn個の点を配置して,点間の最小球面距離が最大になるのはどのような配置か? ということのようですが、そこで紹介されているn=6(正八面体), n=24(ねじれ立方体)については、ダヴィンチ多面体としても実現されていることになります。

(写真1)

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この問題におけるダヴィンチ多面体の有効性がなにに由来しているのかと考えてみると、

・大円弧、小円弧にかかわらず球面上の頂点を形作る。

・一つの円弧上に4つの頂点が均等に並ぶ。

・凸多面体の面を捩じることによって実現できるダヴィンチ多面体では、そのことによって一定面積における多面体のサイズを少し大きくできることが、最大の点間距離をさぐるという方向に合致する。(イメージ図 右の六角形は左の六角形より8%大きい)

そこで、これまでに作ったダヴィンチ多面体の中からこの問題の解の候補になりそうなものを探してみた。四角形、五角形は小さいことが条件になると思われるので、最有力候補として n=30のねじれ重五角錐とn=60のねじれ12面体を選んだ。n=30のねじれ重五角錐は小五角形2,小菱形5,大三角形10からなる。

(写真2)   (中川宏)

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