■偏りのあるサイコロ(その42)
円分多項式
Φ1(x)=x−1
Φ2(x)=x+1
Φ3(x)=x^2+x+1
Φ4(x)=x^2+1
Φ5(x)=x^4+x^3+x^2+x+1
Φ6(x)=x^2−x+1
Φ7(x)=x^6+x^5+x^4+x^3+x^2+x+1
Φ8(x)=x^4+1
Φ9(x)=x^6+x^3+1
Φ10(x)=x^4−x^3+x^2−x+1
Φ12(x)=x^4−x^2+1
Φ15(x)=x^8−x^7+x^5−x^4+x^3−x+1
Φ16(x)=x^8+1
Φ18(x)=x^6−x^3+1
Φ24(x)=x^8−x^4+1
Φ36(x)=x^12−x^6+1
はx^n−1のブロック素材として働くもので,その係数はすべて実数である.その係数は±1に限られるように見えるかもしれないが,Φ105(x)は±1以外の係数が最初に現れる円分多項式である.
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x^11−1=(x−1)(x^10+x^9+x^8+x^7+x^6+x^5+x^4+x^3+x^2+x+1)
x^10+x^9+x^8+x^7+x^6+x^5+x^4+x^3+x^2+x+1
=Φ2(x)Φ5(x)Φ10(x)
=(x+1)(x^4+x^3+x^2+x+1)(x^4−x^3+x^2−x+1)
と因数分解されるが,係数が実数となる範囲で2次式に因数分解すると,
x^10+x^9+x^8+x^7+x^6+x^5+x^4+x^3+x^2+x+1
=Π(x^2−2cos(2kπ/11)+1) k=1〜5
となる.
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105=3・5・7より,
x^106−1=(x−1)(x^105+x^104+x^103+・・・+x^2+x+1)
=(x−1)Φ3(x)Φ5(x)Φ7(x)Φ15(x)Φ21(x)Φ35(x)Φ105(x)
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x^n−1を因数分解するとその係数は±1、0に限られるように見える。
しかしその法則性はn=105で突如崩壊する。
nが異なる奇素数p、qを用いてn=2^a・p^b・q^cと素因数分解するされるときその係数は±1、0に限られることが知られている
そして105は相異なる3つの奇素数の積で表される最小の整数なのである。
n=105では-2が登場するのであるが、驚くべきことに「すべての整数mに対してx^n−1を因数分解した際の係数にmが登場するようなnが存在する(鈴木の定理)
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