■偏りのあるサイコロ(その23)
【2】2個のサイコロの出目の母関数
通常のサイコロの出目の母関数は
P(x)=x+x^2+x^3+x^4+x^5+x^6
=x(x+1)(x^2+x+1)(x^2−x+1)
であり,2つを振ったときでる目の合計の母関数は
{P(x)}^2=x^2(x+1)^2(x^2+x+1)^2(x^2−x+1)^2
=x^2+2x^3+3x^4+4x^5+5x^6+6x^7+5x^8+4x^9+3x^10+2x^11+x^12
になる.
したがって,たとえば,
Q(x)=x^2(x+1)^2(x^2+x+1)
=x^2+x^3+x^5+x^6
R(x)=(x^2+x+1)(x^2−x+1)^2
=x^0+x^1+2x^2+x^3+2x^4+x^5+x^6
ならば,
{P(x)}^2=Q(x)R(x)
となる.
しかし,これでは,四面体サイコロ{2,3,5,6}と九面体サイコロ{0,1,2,2,3,4,4,5,6}であって,条件に適さない.
Q(x)=x(x+1)(x^2+x+1)
=x+2x^2+2x^3+x^4
R(x)=x(x+1)(x^2+x+1)(x^2−x+1)^2
=x^1+x^3+x^4+x^5+x^6+x^8
の場合だけ,六面体サイコロ{1,2,2,3,3,4}と六面体サイコロ{1,3,4,5,6,8}になるのである.
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